ennui

2009.01.19.月曜日 15:54

昨日は久しぶりに一日雨降りでした。
今年の冬は、雪も降らず雨も降らず、とっても乾燥していました。
なのでしっかり降った雨は、体にもしっとりと染み込むようです。
夜眠る時、窓の外でシトシト降る雨音を聞いていると、
いつかの時に還って行きます。

小学校低学年の時の、学校から帰宅した土曜日の午後。
厚い雲が空を覆い、今にも雨が降ってきそうな湿度の多さ。
家には珍しく誰もいなくて、ゴロンと茶の間で仰向けになる。
首を右に向けると、黒電話が二つ並ぶ窓から空が見える。
雲を目で追いながら、大家族で育った私が孤独を感る時。
時計の音、冷蔵庫の音、そして家が広く感じる。
物寂しいんだけど、湿った空気がなぜか心地いい。
このまま続いてもいいと思えそうな、灰色と黄色の混じった時間。
ポツ、     ポツ、      ポツ・・・
水を十分に含んだ雲が限界に達し、赤いトタン屋根に雨を落とす。
途端に雨音が増してきて、弟がせわしなく学校から帰って来た。
祖母もどこからか帰ってきて、外に干していた洗濯物を急いで家の中に放る。
あっという間にどしゃ降りの雨。
両親も畑から引き上げてきた。
そして、またいつものように家族が息づく家に戻り、つかの間の孤独は終了。

あの時感じた、ただ寂しさだけじゃない心地よさ。
家が自分を守ってくれてる安心感。

次にその時に還るのはいつだろう。
暗く湿った、穏やかな時には違いない。

| memory |

2 Comments

: 2009.02.02.月曜日 at 10:40

こんにちは。
また久しぶりになっちゃいました。

>ただ寂しさだけじゃない心地よさ
これ、すごく情景が浮かびます。
安心してうとうととねむくなっていくカンジ、かな・・

冬の雨って、雪よりも寒い気がします。
雨にもグレイじゃない色がついていたらいいのになあって思います。

manako : 2009.02.02.月曜日 at 14:14

空さん、こんにちは。

ふとした時に、昔の茶の間の風景や
ギュウギュウに狭かった台所、
薪風呂用の窯を思い出したりします。
子供の自分にとってはお城でした。

いつの日か、
今住んでいる家も、人が染み込んでいる家に
なったらいいなぁと思います。

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